荒波:配属当初は不安が大きかったんですね。実際に新潟に営業所長として配属されて、どうでしたか?
星野:最初は結構辛かったです。私は生まれも育ちも東京で、新潟には縁もなく知り合いもいませんでしたし、初めてのひとり暮らしで孤独感も感じていました。また、異動直後は新潟市内でも10年に1度あるかどうかという大雪が降った年で、自宅から2〜3分のオフィスに行くのにも苦労しました。お客様との約束も大雪で辿り着くことが難しいこともありましたね。
仕事面では、自分の力不足を感じる日々が続きました。運用経験のあるYahoo!やGoogleの広告については話せましたが、それ以外の選択肢についてはそもそも知識が足りない。お客様がどんな悩みを抱えていて、何を気にしているのかも理解できていませんでした。お客様に寄り添うための知識も経験も不足していましたね。
荒波:結果が出るまでは特にキツかっただろうね。暗中模索の中、何に取り組んだのですか?
星野:何かを抜本的に変えたわけではありませんが、まずは自分から、ソウルドアウト社内に共有されている情報を積極的に取りに行き、読み込むようにしました。お付き合いのあるプラットフォーマーの動向や最新広告メニューまで、これまで以上に勉強しました。また、毎日日報を書いて、お客様への対応について、良かった点や反省点を振り返ることも始めました。また、地域のコミュニティでの飲み会などにも積極的に参加するようにしたんです。そういうところから知り合いができて、お話をいただいたこともありますね。
荒波:細かい改善の積み重ねからスタートしたんですね。ひとり拠点の中やり切れた背景には何があったのでしょうか?
星野:東京で仕事をしていた時よりお客様と心理的な距離が近く、高いモチベーションを保てていたことがあります。
以前は、自分ではなく営業担当がお客様と直接やり取りしていましたし、追いかける結果も数字で語られることが多く、その数字の裏側にある想いまでは理解できていませんでした。以前は単に作業をして仕事をこなすような感覚に陥っていたこともあったように思います。
しかし、新潟では社長や事業責任者の方と直接成果の話をすることが多く、目標の数字に込めた想いや意気込み、熱量など全てが伝わってきました。何としても結果を出さなければと責任感が強くなったのと同時に、目標の意図を施策に反映させやすくなりました。本当にお客様に成長させて頂いたんです。
荒波:なるほど。その結果、仕事のやり方や考え方は変わりましたか?
星野:変わりましたね。お客様が最も大切にしている成果は何なのか、しっかり聞くようになりました。お客様がどういう人で、どんな想いを持って事業をされているのか、ズレがないよう慎重にヒアリングするようになったんです。その上で、自社で提供できる価値の話ばかりせず、お客様にとって一番成果が上がる方法は何かを最優先で考えるようになりました。
荒波:考え方を変えるきっかけはなんだったのでしょうか?
星野:いくら準備しても、自分の想像力には限界がありズレることも多く、それならお客様に聞いて、その反応から考えを汲み取ったほうが良いと思ったことです。
荒波:ヒアリングする中で、お客様はどんな課題感を抱えていることが多かったですか?
星野:新潟という土地柄もあるのか、Webマーケティングに慣れておらず、何が課題かが見つけられていないケースが多かったですね。また、PDCAをきちんと回してくれる広告代理店が少ないことも多くのお客様が課題に感じられていました。
荒波:たしかに、お客様ご自身で課題がわからないケースは多いですよね。だからこそ、その課題を一緒になって考えるところからスタートしなければいけませんよね。
星野:そうですね。お客様の話を丁寧に聞き、課題解決に繋がる提案ができるようになってからは少しずつ成果が出始めました。配属されて1年半後にようやく就任時の利益10倍という目標を達成できました。