ー入社からこれまで取り組んできたことについて教えてください。
2013年4月、現在のクリエイティブソリューション部の前身である「成果改善室」が最初の配属先でした。名前の通り、お客様の”成果”を”改善”するための部署です。(※2)
広告があって、その先にLPがあって、その先に成果地点がある。となると、成果に寄与するのは、LPの役割が大きいんですよね。そして、成果につながるLPにするには、綺麗でかっこいいだけではいけない。
そんなことを含めて、現・上席執行役員の長谷川さんから、クリエイティブとは何か、という基本となる考え方を教えていただきました。
ここで培った考え方が、多くの業務に活かせていると感じます。
しばらくは業務を遂行することに集中していたのですが、入社1年目、2013年の年末に長谷川さんからお声掛けいただき、ソウルドアウトのオウンドメディア「LISKUL(リスクル)」(https://liskul.com/)の立ち上げを経験しました。私を含めた立ち上げメンバー7人の社員で、現業と並行して記事を書くことになりました。7人でどうにか記事を作っていかなければならなかったので、私は3か月ほどの間、1週間に2記事ペースで執筆していました。外部のコンサルタントからスパルタのレクチャーを受けながら、一記事仕上げるために10時間以上かかることもありました。(※3)
ーメディア「LISKUL」の立ち上げでは、どのような学びがありましたか。
広告のクリエイティブを作るときに忘れてはならない”ユーザー視点”を、メディアの立ち上げを通して学びました。
記事を執筆する過程では、ユーザーのニーズを捉えストーリーを設計します。
前提として重要なのは、検索するワードによってユーザーが求めている情報は異なること。「検索したときどんな状況なのだろう?」「どんな情報を欲しているのだろう?」と”想像力”を働かせ、記事コンテンツの順序や内容を組み立てていきます。ユーザーを飽きさせないストーリーを作るんです。
例えば「LP 効果」と検索している人は、広告の遷移先を現在はサイトにしているが、LPを作るとどれほど効果があるのか気になっているかもしれません。
一方で「LP 改善」と検索している人は、LPはすでに持っていて成果が横ばいか悪化中。今あるLPをどうにか改善する方法や、新たに作る際に気を付けるべきポイントが知りたいかもしれません。
実際にユーザーが何を考えているのか、正解は分かりません。ですが、ユーザー視点を意識して執筆することで、自然とSEO順位(※4)も上がってきます。執筆した記事がSEO1位になると、「ユーザーに求められている記事が書けた!」と嬉しくなります。
軌道に乗るまでの3ヶ月間は毎日記事をアップし続け、「LISKUL」は今では月間PVが70万を超えるメディアとなりました(※5)。
ちなみに、「LISKUL」の名付け親は私です(笑)!“リスティング広告+来る(集客)”から来ています。
―部署では、メンバーのスキルアップに力を入れているそうですね。
お互いに意見交換をしてノウハウを共有する場を設けることで、メンバーのスキルアップを図ろうと、去年から「朝会」をスタートさせました。毎朝30分~1時間、メンバー全員が参加し、担当する案件のレビューをメンバー同士で行います。
それぞれが自分の担当している業界にこだわらず、レビューをし合います。
他のメンバーの担当案件にも関わるようにすることで、自分の担当している案件にも活用できるヒントが見つかったり、自分の経験したことのない業界のお客様を担当することになった時の引き出しが増えたりすればいいなと思っています。
▼朝会では、メンバーが担当する案件のレビューを行う。
―レビューの中で、坂本さんが大切にしていることを教えてください。
「どう思う?」と問いを重ねるようにしています。
「自分で理由を深く考えてほしい」、「誰もが見て分かるような表面的な指摘ではなく、ユーザーを考えて意見を出してほしい」という2つの意図があります。クリエイティブには、決まった答えはありません。自分のつくるものに自信を持ってほしいからこそ、正解をこちらから提示せず自分でかみ砕いて考えるよう促します。
「そもそもどうして、そのユーザーに対して伝えるのか?」「そもそも、そのユーザーはどのようなことを考えているのか?」と、ユーザーの視点に立ち返って考えてもらうようにしています。ユーザーのニーズは、広告の配信媒体や、ターゲティングなどの配信設定によっても変化するんです。
「どうすればいいですか?」という質問は、相手に考えることを丸投げしているのと同じ。自分で考え「こうだと思うのですがどうですか?」と、あとは相手に判断してもらうだけにすれば、クリエイティブの業務でなくても、仲間ともお客様とも円滑に事が進むようになると私自身実感しています。
あとは、Webサイトを見て、もっとこんなこと加えられないかな?と、自分の経験値を活かして+αのアドバイスをします。
―普段の生活でも「どう思う?」と問うことはありますか。
そうですね、無意識のうちに、「なぜだろう?」って理由をぐるぐる考えている気がします(笑)。
例えば、ジャンルは全く異なる2つの好きな曲があるときに、「三拍子のリズムが好きなのかな?」「マイナー調の曲ばっかりだな。」「どうして好きなんだろう?」というように、ついつい共通点を探ってしまいます。
あと、大学時代、カフェや料亭、ワインバーなど、接客のアルバイトを多く経験しました。バイト先によって、訪れるお客様の属性やお客様の属性や考えていること、生活の状況、立場などが異なっていたため、コミュニケーションの仕方を変えていました。自分なりに問うて考え接客をするのは、楽しかったですね。
接客業では自分自身が表に立って商品をアピールできますが、現在の業務では、企業様の商品を広告によって魅力的に売っていくこと、広めていくことが仕事です。
商品を届ける先は一般の生活者であり、その点では接客業と同じだと思っています。大学時代のアルバイトで経験したように、”想像力”を働かせながら様々なソリューションやコミュニケーションを使って、魅力ある商品・サービスを届けていきたいです。