──皆さんのキャリア選択についてお聞かせください。
増田:思い返せば、社会人1年目からリーダー職のようなものをずっとやってきたのですが、マネジメントをしたいという思いは持っていなかったです。仕事は自分が楽しいかどうかが第一で、それは今も変わりません。期待してもらえると尻尾を振ってがんばっちゃう人間で、一生懸命やってきた結果が今ですね。
穴吹:仕事のなかに自分の好きなことを増やそうとやってきました。5、6年前に関西の部長職を打診されたときには、実はお断りをしたという経緯もあったんです(笑)。当時はお客様と話しているときが1番楽しいと感じていて、その時間が減ることはしたくなかったためでした。
飯田:私は会社から提案されてやってきたのがほとんどですね。経営企画にキャリアチェンジしたのも、新しい部署の部長をやってくれと言われたからでした。経営企画なんて絶対できないし、かつ部長なんて絶対に無理だと思ったのですが、IPO準備真っ只中だったこともあり、受けざるを得ず。
落ち着いたあと、やっぱり経営企画は向いていないと思ったので、1度営業や運用部隊に異動したこともあったんです。しかし、その部署が吸収されることになり、再び経営企画に戻ることに。そこでようやく経営企画に対して「向いているのかもしれない」と思えるようになりました。
──穴吹さんは営業職が好きなだけではなく、得意でもあったからこその今なのでしょうか。
穴吹:いえ、1年目のときは成果が出せず、周りからは「向いていない」と言われましたし、自分でもそう思っていました。成長できるか、得意なことをやれているかという軸をかなり意識していまして、実は転職が頭をよぎったこともあるんです。それでも軸をぶらさずに考えてきた結果が今、という感じですね。
2018年、クライアントとお客様の心理を深く理解・追求して業務をしている人として、穴吹さんが初めて社内表彰(CMO賞)を受けたときの写真
──これまでのご自身のキャリアのなかで、「この道で本当に良いのか」と迷ったり、壁にぶつかったりしたことはありますか?
増田:前職時代にありました。求人広告の仕事をしていて、天職だと思っていたんですけど、母親業との両立が困難だったんですよね。担当しているお客様がいるので、時短勤務とはいえども帰宅後も仕事をせざるを得なくて。結局、子どもが学校の勉強に付いていけてないことに気付き、宿題や勉強を見なければと退職を決めたのですが、本当に辞めたくなかったです。ただ、仕事は私の代わりがいるけれど、この子のママは私しかできないから、今は子どもを優先しようと踏ん切りをつけました。
2年間、専業主婦に専念したあとは個人事業主として自分のペースで働ける形で仕事に戻りました。正社員に戻った今は、夫が個人事業主として育児と家事もメインで担当し、私が仕事を目いっぱいやるという形に。夫が働き方を変えてくれたおかげで、存分に働ける状態をつくれています。
専業主婦に専念していた当時、増田さんとご家族で近所の公園にお花見に出かけたときの写真
飯田:ライフステージの変化はキャリアにとってなかなかの壁ですよね。私は産後に部長職を打診され「定時で帰れるなら」と引き受けたのですが、マネジメント以外にもやることが山ほどあり、壁を感じました。出産前とは違い、産後はどうしても時間の制約があります。120%でがんばっているのに、仕事で発揮できるのは70%で、家で発揮出来るのは30%となってしまう。仕事でも家庭でも100%のパフォーマンスが出せないことが歯がゆくて、よく上司に愚痴を吐いていました。