ーまずは改めて御社の事業内容についてお教えください。
坂久保:靴の製造から小売りまでを一貫して行うSPA(※1)という業態で、店舗と通販事業を行なっています。最大の特徴は、自社ブランドで開発をしているので比較的低コストで提供できる点。カタログ通販や、靴の専業小売、EC企業など様々な業種と競合していますが、ヒラキの売りは値段と機能を兼ね備えたコスパです。よく社内でも言うんですが、服のユニクロ、靴のヒラキと言ってもらえることを目標にしています。
浅野:ECは子育てママ層にご利用いただくことが多いです。子どもの靴はすぐ大きくなるので、低コストで買い替えができるような商品をご提供しています。あとは、学校認定の体操服や上履きなど、スクール商品も多くご用意しています。
坂久保:うちは、5歳と3歳の子どもがいるのですが、幼稚園指定の服とか靴って高いんです。ブレザーや体操着、上履きなど数千円から高いものは1万円くらいする。それがヒラキのスクール商品だと5分の1、10分の1で買えるのです。それが口コミでお母様たちに広がっています。洗い替えの予備としても手を出しやすい価格帯です。
崎山:社内におけるECはどのような立ち位置ですか?
坂久保:全体像からお話すると、事業的に通販・店舗・卸の順に規模が大きく、通販の中でもまとめ買いを主とした総合カタログ通販ですので、依然カタログなどの紙媒体の比率が大きいです。既存顧客やカタログ請求を希望するお客様に最新のカタログをお送りしている他、カタログを無料で沖縄以外の全国のスーパーや100均、ドラッグストアなどに設置しています。ECはカタログと同時進行で商品や特集などの情報をオンラインに載せて、Web広告やLINEなどで集客を行なっています。Web(スマホユーザー)に最適化した表現やリアルタイムなコミュニケーションを展開していますが、カタログを見つつECで注文するなど、購入の決め手がカタログだというお客様がまだまだ多いですね。
今後は、ECで注文いただけるお客様をもっと増やしていこうと考えています。とはいえ、カタログを見ているお客様にスマホで見てくださいねと伝えるのではなく、カタログとWebの相乗効果をはかりお客様を開拓していこうとしています。
崎山:ソウルドアウトでご支援させていただいているのもこの領域ですよね。
坂久保:まさにECの新規集客の部分をお手伝い頂いています。2016年頃からGoogleの広告配信をお願いしており、「Google Premier Partner Awards 2019」(※2)で表彰いただくほどの成果が出ています。最近ではInstagramでの顧客獲得もご支援頂いていますね。
浅野:これまでは顕在層にアプローチする広告に力を入れていましたが、そちらが順調なので、SNSを用いて、潜在層に対しても認知を上げ、購入を促進していく取り組みをしています。
潮:まずは小さく試してみて、PDCAを回し、うまくいったものを残すという形で、Web領域に関しては多くの部分をソウルドアウトにお任せいただいています。
※1 SPA:Specialty store retailer of Private label Apparelの略で製造小売ともいう。企画から製造、小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指す。
※2 Google Premier Partner Awards:Google Partners が主催する、デジタルマーケティングにおいて、検索広告、アプリ広告、動画広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告、オンラインビジネスの成長などの領域で、革新をもたらした企業を表彰するアワード。