志を共にする仲間と、中小・ベンチャー企業支援の協力体制を。 元ヤフー執行役員を取締役に迎え、新たな挑戦へ。

経営・事業
2018.07.31
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「成し遂げたい世界観が同じだから、一緒にやりたいと思ったんです」

ソウルドアウトでは2018年3月、新たに取締役COO(最高執行責任者)として荒波修を迎えました。執行役員としてヤフーの急成長を支えたアドテクノロジーのプロフェッショナルを経営幹部に加え、ソウルドアウトはどう変化していくのか。二人の出会いと、これからのソウルドアウトの向かう先について伺いました。

荻原 猛(おぎわら たけし)
代表取締役社長
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荻原 猛(おぎわら たけし)
1973年生まれ。中央大学大学院戦略経営研究科修了。経営修士(マーケティング専攻)大学卒業後、起業。2000年6月に株式会社オプトに入社。2006年4月に広告部門の執行役員に就任。2009年に当社を設立し、代表取締役社長に就任。著書に『ネットビジネス・ケースブック』(2017年 同文舘出版 田中洋共著)がある。
荒波 修(あらなみ おさむ)
取締役COO
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荒波 修(あらなみ おさむ)
1971年生まれ。外資系メーカーおよび外資系ソフトウェア会社などを経て、2007年 オーバーチュア株式会社に入社。2008年 ヤフー株式会社へ転籍し、2013年4月、同社執行役員に就任。2016年4月、株式会社GYAO代表取締役社長に就任。2018年3月より当社取締役COOに就任。

日本、業界の未来を想う熱量に共感

ーまずはじめに、ソウルドアウトでの荒波さんの役割を教えてください。

荒波:取締役COOとして、ソウルドアウトグループの事業全体を見る役割です。

荻原:そうです、事業全体を見ていただきます。もちろんグループ会社の役員にも入ってもらって、情報をキャッチできるようにしています。荒波さんは事業、僕は主にグループ連携や新規事業、そして社内の文化や制度を見るように役割分担できたらいいかな、と思っています。

荒波:荻原さんはそう言ってくれますが、自分としては領域の壁は定めず、お互いの壁打ち相手のような感じで、一緒に経営を進めていければいいなと思っています。

ーお二人が出会った時、お互いにどんな印象でしたか。

荒波:2012年にヤフーの運用型広告の責任者になった時、正規代理店であるソウルドアウトの荻原さんと初めてお会いしました。その時にネクタイをいただいたんですよね。

荻原:就任のお祝いとして贈りましたね。僕は、荒波さんと一緒にご飯を食べた時のことがすごく印象的に残っています。インターネット広告業界を、日本をどう伸ばしていくかを一生懸命考えていて、こんなに純粋に熱く語る人はなかなかいないと思ってですね。その熱に打たれました。

荒波:インターネット広告の市場は外資の会社が強くて、日本のメディアやプラットフォームが活躍できるスペースがなかったんです。その中で、ヤフーは海外勢に挑戦する権利を持っている。自分たちが頑張らないと、国内のメディアやアドテク産業がダメになるっていう想いを持って、日本代表のつもりでやっていましたね。

荻原:荒波さんにお会いするたび、小さくまとまっていてはいけないと思って、襟を正していました。

荒波:私が印象に残っているのは、荻原さんが会食のたびに提案資料を持ってきていたことです。毎回10個くらい持ってきて「これどうですか?」って聞いてくるんですよ。半端ないなと思いました。

荻原:荒波さんと会えるせっかくの機会を無駄にしちゃいかんと。社員たちと案を出し合って、資料を作りました。荒波さんの視点から見えていることを知りたかったし、僕らが見えているもので、何かの気づきになればと思ったんです。

荒波:あれはすごく楽しかったですね。当時からソウルドアウトは、中小・ベンチャー企業のお客様を大切にしていて、そこにコミットしている会社という印象でした。それから、真面目で優秀な社員の方が多いなと。
 

「地方から日本を元気に」という志を胸に

ー出会ってから、どんな背景で参画されたんですか。

荒波:ヤフー時代から、荻原さんは志を共有できる仲間だと思っていました。2012年には、石巻で合宿をしたんですよね。

荻原:はい、そうですね。この合宿の機会に僕らが全国の中小・ベンチャー企業と直に接しているからこそわかることを、荒波さん率いるチームの皆さんに伝えて、それを商品にどう生かせるかなどを考える合宿の機会をいただきました。僕たちが本気で向き合っていることにきちんと耳を傾けてくれたのが、めちゃめちゃ嬉しかったですね。そして2016年に、資本業務提携につながっていきました。

荒波:デジタルマーケティングの支援は、現状では大企業に偏ってしまい、特に地方の中小・ベンチャー企業の市場開拓が進んでいない。この状況をなんとかしたいと、私自身ずっと考えていました。ソウルドアウトは、その課題に愚直に向き合うパートナーだと思っていたんです。一緒に市場を創っていきたいという想いが結実して、資本業務提携という形になりました。

荻原:地方や中小・ベンチャー企業にも本当はチャンスがあるんですけど、デジタルマーケティングが行き渡っているとは言い難い。そんな中で提携のキーワードとして「市場創造」という言葉がピタっときました。僕らみたいな小さな会社に目をかけて貰って、荒波さんには感謝していたんです。

なのに資本業務提携の話をしてすぐ、ヤフーの子会社であるGYAOの社長になるって聞いて。一瞬信じられなかったです。

荒波:社内の人事異動で就任が決まった後、ソウルドアウトの皆さんに会食の席を設けていただいて、そこで荻原さんからお手紙をいただいたんです。

荻原:これまでの想いを荒波さんに伝えなきゃいけないと思って。両社の社員が10人くらいずつ集まった会食の最後に手紙を読みました。今までの感謝と、これからも僕たちはまっすぐ進むから見ててねっていうことを書きました。

荒波:不覚にも涙してしまいました。

荻原:読んでいるうちに僕も崩壊しましたね。おじさん2人が、夜の居酒屋で涙するという(笑)。

ー実際に参画する際は、荻原さんから声を掛けられたんですか。

荻原:GYAOの社長を退任するという話を聞いて、僕からオファーしました。

もともと荒波さんがSMB領域(※1)を担当されていて、僕らの事業領域に詳しいことは知っていましたし、愛着があることも感じていました。それから、広告配信の基盤となるシステムやサービスなど、プラットフォーマー(※2)の仕組みを深く理解されているので、僕らとは違う強みをお持ちです。

プラットフォーマーの皆さんはそれぞれ、中小・ベンチャー企業を支援していきたいという想いをお持ちだと思っています。しかし、それを実際お客様とどう繋ぎこむかということについては、僕らよりも荒波さんが上手くつなげてくれるのではないかという期待がありました。

荒波:退任の後、おかげさまでいろいろなお声掛けをいただいた中で、ソウルドアウトに決めました。自分の根っこの部分には、地方から日本を元気にしたいという想いがあって。そこに日本の伸びしろあると思っていたので、それを達成するためにどこがいいか考えたら、荻原さんの顔が浮かんできました。

荻原:僕は、誰のどんな困りごとの役に立ちたいか、それがないと会社をやっている意味がないと思っています。その一番大事な、志レベルで成し遂げたい世界観が同じだから、荒波さんと一緒にやりたいと思ったんです。その想いを感情の赴くままに伝えました。

荒波:それが荻原さんの良い所ですよね。大義と情熱があるから人が集まってくるんだと思います。

会社の理念にも共感しましたし、自分自身の経験からネット広告で中小・ベンチャー企業の売り上げが爆発的に伸びるのも知っていました。あとは規模が大きすぎないところも、スピード感をもって進められそうでよかったです。

荻原:荒波さんの参画を社員に伝えたら、東京湾にゴジラが出たみたいな衝撃が走りました。「あの荒波さんがうちに来る」と。かなりのインパクトでしたね。そういう顔が見たかったっていうのはあるんですけど(笑)。

企業とプラットフォーマーとをつなぐ

ー実際に入社してみていかがでしたか。

荒波:印象は入社前と変わらなかったです。やっぱりいい会社だなと。素晴らしい社員がたくさんいて。

荻原:ありがとうございます。社員を褒められると一番うれしいです。

荒波:でも一方で、ここからさらに大きくなっていくためには基盤の整備が必要だとも感じました。逆にいうと、まだまだ伸びしろがあるなと。これからが楽しみですね。

ーどの部分が伸びしろだと感じていますか。

荻原:ソウルドアウトは地方、中小・ベンチャー企業を支援しようという組織文化があります。だからこれまでに、どんな支援が必要かという企業側のニーズは伺っていました。しかし、それをプラットフォーマーに伝え、商品づくりに生かしてもらうことはできていませんでした。

実際に企業の要望を聞くことと、プラットフォーマーの皆さんに提案すること、この二つを両輪としてバランスよく大きくすることができれば、さらに会社を前に進めることができると思います。

荒波:実際に、企業の声はプラットフォーマーまで届きにくいんですよね。ソウルドアウトに求められているのは、まさにその声を届けることだと思います。うまく連携していきたいですね。

荻原:あとは、地方の皆さんの広告費におけるネット広告比率が低いことも課題だと感じています。現状、地方だと広告費全体の中でのネット広告の比率は4%。東京が16%なのに比べて、4分の1なんです。まだデジタルマーケティングの情報が行き届いていない状態なので、もっといろいろな企業を支援することで、この比率を上げてきたいですね。一方で、自社でもソリューションとなるサービスを生み出したいと考えています。

荒波:我々は地方、中小・ベンチャー企業を支援したいという志はありますが、志だけでは支援が難しい現実があります。商品ラインナップを増やし、プラットフォーマーやメディアと協力体制を創っていくことがカギだと思っています。全国のお客様を支援するためには、我々自身の生産性をどんどん上げていかないと。そこが伸びしろだと思っています。

ー今後、お二人の強みをどのように経営に生かしていきますか。

荻原:荒波さんは、ヤフー広告事業において、再成長を成し遂げた張本人だと思っています。あの大きな会社で二桁成長を続けていたのは凄ましいことだなと。あのような成果を出すためには、何が大事ですか。

荒波:まず、やるべきこと、やめるべきことを明確化すること。それから権限移譲ですね。私は、スピード経営こそが会社の成長のすべてだと思っていて。権限移譲してPDCAのサイクルを回していくと、どんどん人財が育つんですよね。そうやって未来の経営者候補を育てていくべきだと考えています。

荻原:たしかに、荒波さんの強みはスピードだと感じますね。いろいろな案がある時に、必ず1つ上位概念を出して言い切ってくれる。その選択をする背景や理由も明確にお持ちなんですよ。大義や目標の掲げ方からも強いリーダーシップを感じます。

荒波:荻原さんは、社長でありながら一番お客さんと向き合って、気持ちがよくわかっているのが最大の強みだと思います。逆にプラットフォーマーのことは私が詳しいので、良い補完関係になれるのではないかと思っています。

荻原:会社を前に進めるための両輪を、お互いで担っていきたいですね。

 

※1 SMB=Small and Medium Businessの略。「中堅・中小企業」の意味。
※2 「プラットフォーマー」とは、Yahoo、Google、Facebook、Amazon、LINEなどのネットサービスを提供するプラットホーム事業を展開する企業のこと

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