ー2014年に日本語版がリリースされたInstagramですが、改めてどんなものなのか教えてください。
井上:
写真や動画を投稿し、無料で世界中の人とシェアできるサービスです。リリースされて1年足らずで投稿された写真の数は1億点を突破し、世界中で話題になりました。日本でも、多くの利用者数を誇り、2019年3月時点で国内の月間アクティブユーザーは3,300万人を越えています。少し前までは女性の利用者が多い印象があったかと思いますが、最近では男女問わず利用されるサービスになっています。
現在は、多くの人がスマホやタブレットであらゆることを済ませるようになってきました。Instagramは写真や動画の撮影・投稿から他利用者の投稿のチェックまで全てスマホで完結でき、モバイル化が進んだ世の中のニーズにマッチしていると言えます。だからこそ、ここまで利用者数を伸ばすことができたと思いますし、これからも利用者数はさらに増えていくと思います。
ー中小・ベンチャー企業のInstagram活用の現状を教えてください。
穴田:
Facebook広告と連動して、Instagram広告を利用する企業は多いですが、オーガニック検索※1での流入が期待できる公式アカウントの開設・利用についてはまだまだ取り組めていない企業がほとんどです。コスメやアパレルなど、写真映えし、配信するモノのイメージがしやすい業界以外は、実際にどんな風にInstagramの公式アカウントの活用をすれば良いのか、わからないのだと思います。
ー中小・ベンチャー企業にとってInstagramはどのように活用できるのでしょうか。
井上:
モバイル化が進み、消費者が情報収集をスマホで行うようになったからこそ、企業はモバイルユーザー向けのマーケティング施策を強化することが重要です。それにより、これまでリーチできなかったような潜在層にもアプローチできる可能性があるのです。その手法として、サービスを利用する利用者のほぼ100%がモバイルユーザーであるInstagramは有効です。
中小・ベンチャー企業だからこそ、Instagramを使うべき理由は大きく4つあります。まず1つ目は、公式アカウントの開設が無料でできること。2つ目はスマホ1台あれば専門知識が無い一般の社員でも簡単にはじめられるという手軽さ。3つ目は、それまで地元地域に限定されていた商圏をインターネットを利用して日本全国や海外にまで広げられる可能性があること。そして4つ目は、広告を出稿する場合でも少額、たとえば五百円からからスタートできることです。例えば数千円で広告を出稿し、その結果を見ながら試していくことも可能です。
ーマーケティングにおいて、Facebookと比較したInstagramの違いは何でしょうか。
穴田:
Instagramは利用者同士が好きな人や好きなものとつながるプラットフォームであり、ビジネスシーンの利用が多いFacebookと違い、プライベートシーンでの利用がメインです。そのため、企業からすると、商品や自社のことを好きになってもらうためのアプローチがしやすく、純度の高いファンを獲得しやすい傾向があります。ファンになってくれた人は、自社の商品やサービスについて個人のアカウントで拡散してくれるので、企業が広告を出さなくても、認知が広がることになります。