ーはじめに、小野さんが取り組んでいる仕事について詳しく教えてください。
私が担当しているのは、インターネット広告の裏側のシステム部分、アドテクノロジーの領域です。設定から効果の測定、改善まで行い、広告がより多くの人の目に触れ、成果を出せるように、運用を最適化しています。
企業が出稿する広告には、大きく分けて静的なものと動的なものの2種類あります。静的な広告は、固定されたバナーをクリックすると固定されたランディングページに飛び、そのパターンはいつも一緒です。これに対して、criteoやGoogleDynamicRemarketingのような動的な広告は、パターンが固定されておらず、消費者の行動に合わせて変化します。消費者の興味に合わせた広告を出すことができるので、比較的効果が出やすいんです。
静的な広告は一度出稿したら効果を見るだけですが、動的な広告は継続的に効果を測定し、改良していく必要があります。せっかく広告を出しても、うまく運用できないと効果が期待できないからです。私たちは、主にこの動的な広告の効果測定や改良を行い、低コストでより多くの人に行き渡るよう、環境を整えるお手伝いをしています。
具体的には、Webページに測定タグを埋め込んで、該当ページがクリックされた回数を測定したり、Webサイトの閲覧履歴から適切なページに広告を配信するデータフィードを管理したりしています。お客様は、ECサイトを運営する企業からBtoBのビジネスをする企業までさまざまですが、目的に合った成果を出すために最適な環境を整えるようにしています。
ー広告を効果的に運用していくためには、何が大事なのでしょう。
まずサイトの構造を理解することですね。サイトって、大きなフォルダの中に、トップページや商品詳細ページ、サンクスページなど、いろいろなページが入っているようなつくりになっているので、全体を理解してきちんと見れる力が必要です。タグマネージャーなどのツールを使いこなせることや、プログラミングスキルも大切ですね。
しかし、プログラミングスキルだけではなく、マーケティングの知識も重要ですね。そして、一番必要なのは「お客様とプログラミングが好き」という気持ちだと思います。良い運用担当者になるためには、好きなもののために頑張ろうという成長意欲や素直さが欠かせません。技術と気持ち、両方が必要だと考えています。