#KOBEブルーウィーク「Facebook Marketing Boot Camp」イベントレポート①
9月8日〜16日、神戸市・フェイスブック ジャパン主催のもと、「#KOBEブルーウィーク」が開催されました。本イベントは、神戸市・フェイスブック ジャパンが、経済分野・コミュニティ分野など幅広い分野でSNSを活用することにより、地域経済・地域コミュニティの活性化を図ることを目的とした「地域経済・地域コミュニティ活性化に関する事業連携協定」の取り組みの一つです。(※ソウルドアウトは同協定のビジネスサポートパートナーに選ばれ、神戸市の企業のFacebook/Instagram活用支援に共同で取り組んでいます。)
今回は、同イベントのうち、特に中小企業の支援を目的に行われ、ソウルドアウト社員もスタッフとして多数参加した「Facebook Marketing Boot Camp」の内容を中心にレポートいたします。
▼イベントレポート②
https://www.sold-out.co.jp/soulofsoldout/other/20181127
中小・ベンチャー企業こそデジタルマーケティングにトライしてほしい〜Facebook Marketing Boot Camp オープニングセッション〜
まず初めに、フェイスブック ジャパン井上氏、神戸市経済観光局林氏からの挨拶があった後、井上氏より中小・ベンチャー企業におけるデジタルマーケティング活用の有効性について、プレゼンテーションがありました。
>登壇者
フェイスブック ジャパン 執行役員SMB(中小企業)事業担当 井上 英樹氏
神戸市経済観光局経済政策課企画係長 林 順子氏
林:今回は神戸市の経済活性化を目的とした、事業者さま向けのMarketing Boot Camp(マーケティング ブート キャンプ)です。SNSが普及し、いろんな情報を個人レベルで世界に発信できる時代。神戸の皆さんの活躍をどんどん発信することが、神戸の元気につながればとても嬉しいです。
井上:中小・ベンチャー企業における課題は、使える資金と人が限られていること、販路の拡大に向けたマーケティングが難しいこと、海外市場へのアプローチが弱いことです。
これらを解消するための施策を打とうにも、かつては消費者が最も接触するメディアはマスメディアであり、コストのかかるマーケティングは大企業のものでした。しかしデジタルメディアの登場によって状況は大きく変わりました。直近10年でデジタルメディアがテレビを超え、今や生活者のメディア接触トレンドはスマートフォンを中心としたモバイルとなり、誰もが手軽に効果的なデジタルマーケティングを、少額から始められるようになりました。「モバイルの時代」が到来しているのです。
様々なマーケティングツールが登場する中で、Facebookは「コミュニティ作りを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」というミッションのもと、地方経済の活性化支援を目的に、中小・ベンチャー企業におけるビジネス活用を促進しています。
Facebook/Instagramはアカウントを無料で開設できます。さらに、高いターゲティング精度で海外22億を超えるユーザーにリーチできるのも大きな特徴です。加えて、様々なコミュニケーションフォーマットを用意しているため、最もユーザーに受け入れられやすい形で、多くの人にリッチなコンテンツを提供することができます。
少額から実施でき、スマホやPCで広告出稿が可能、加えて結果がすぐに現れる。中小・ベンチャー企業におけるデジタルマーケティングには最適ではないでしょうか。誰でも効果的なマーケティングにトライできる時代。まずはトライしてほしいと考えています。
デジタルマーケティングが中小・ベンチャー企業の未来を拓く〜神戸市を拠点とする3社によるパネルディスカッション〜
続いて、地元企業の3社を登壇者にお迎えし、パネルディスカッションが開催されました。Facebook/Instagramの効果的な運用方法やリスクの管理方法など、実践的なお話を伺いました。
>登壇者
和田興産株式会社・藤野 健次氏
創業119年、新築分譲マンション「ワコーレ」シリーズを展開するマンションデベロッパー。地域に根差したコミュニティづくりと社会・地球環境への貢献を目指し、常に時代のニーズに応える住まいの創造を続ける。
FB:https://www.facebook.com/wakohre/
IG:https://www.instagram.com/wakohre.wadakohsan/
株式会社F・O・インターナショナル・坂根 一弥氏
「お母さんのお財布から気軽に出せる価格の、オシャレな子ども服」というコンセプトのもと、子ども服の製造販売を行う。神戸に本社を構え、全国の子供服専門店や雑貨店で多彩なブランドを展開する。
FB:https://www.facebook.com/foonlinestore/
IG:https://www.instagram.com/foonline/
サンドイッチの店3・菅 良友氏
フレンチシェフだった店主がニューヨークで味わったサンドイッチに感動し、その味を日本でも体験してほしいと神戸にサンドイッチ専門店をオープン。現在神戸市内に2店舗を展開する話題の店。
FB:https://www.facebook.com/rpott3
IG:https://www.instagram.com/sandwich_3/
ターゲットや商材に合わせてSNSを運用
ーまず、それぞれどのようなデジタルマーケティングを行っているのか、その中でどのようにFacebookやInstagramを利用しているのか教えてください。
和田興産・藤野 健次(以下和田興産・藤野):物件の販売促進とブランド認知のためにデジタルマーケティングを行っています。マンションは一生に一度の買い物です。その時に弊社を第一想起してもらえるよう、常日頃からワコーレというブランド名や社名に触れてもらおうという狙いです。
その中で弊社では、Facebookをお客様に無料で情報発信できるメディアとして、コーポレートサイトのサテライトページという位置づけで運用しています。具体的には、販売物件の告知やプレゼンスを上げる情報を流しています。すぐにマンションを購入するという人は多くないので、いかに退屈せずに投稿を見てもらうかという点を強く意識しています。その一環として、関西のおでかけスポットや遊び情報、おすすめのグルメやイベント情報が満載の雑誌『関西ウォーカー』とコラボして地域の情報を流すなど、これから住まれる方だけではなく、現在住んでいる方にも有益な情報を発信しています。実際に、フォトジェニックな写真の載った投稿はエンゲージメントが高いです。
お客様と交流する気軽なツールというよりは、一方通行の広告ツールとして使用しています。
F・O・インターナショナル・坂根 一弥(以下F・O・インターナショナル・坂根):ECの売上を伸ばすことが目的で、6年ほど前から本格的にデジタルマーケティングを始めました。主にFacebook、Instagramを運用してます。特に今はInstagramに力を入れていて、担当者が週に2、3回の頻度で自由に投稿しています。お客様と年齢の近い若手社員に運用を任せ、パパさん・ママさんに向けた情報発信の場として活用しています。
弊社においては、InstagramとFacebookを比較すると、最終的な獲得率や獲得単価はFacebookの方が良いんです。ただ、Instagramのほうが世界観を伝えることに向いているので、認知度の向上のために商品の情報を発信しています。Facebookは刈り取りの場、Instagramはブランディングの場として使い分けるイメージですね。
サンドイッチの店3・菅 良友(以下サンドイッチの店3・菅):私たちはまだ本格的にデジタルマーケティングに取り組めているとは言えません。開業当時、おいしいものを作ることだけを考えて商品を販売していたところ、お客様がSNSで拡散してくれたんです。昔はメディアへの露出機会をつくることに一生懸命でしたが、今は自分たちの知らないところで拡散していくことを実感しました。
そこで、自分たちで積極的に情報を発信するよりも、お客様の声を集めていくツールとして使うようになりました。Instagramのハッシュタグ検索で「これがおいしかった」「これがかわいかった」といったお客様のご意見を見つけて以来、商品の強化や新商品の開発の参考にしています。Facebookも利用していて、従業員が自発的に投稿しています。最近こんなものが気になっているとか、こんな商品を考えてみたといった日記的な投稿で、楽しそうにやっている、おいしそうなものを作っているという雰囲気を伝えるようにしています。
ビジネスのフェーズに合わせた目標設定を
ーFacebookおよびInstagramに対する期待や要望はありますか。
サンドイッチの店3・菅:機能に関しては非常に満足しています。しかし、その使い方が分かりづらいので、ヘルプページを平易にしてほしいです。良い機能を分からないまま使っている人は多いのではないでしょうか。
F・O・インターナショナル・坂根:ショッピング機能にはとても期待しています。例えば、「9歳の女の子が秋に着たいワンピース」といったように、漠然としたターゲティングへの対応ができたら嬉しいですね。
ー最後に会場にお集まりの方にメッセージをお願いします。
和田興産・藤野:企業であれば社内で決裁を取って始めるとなると、スタートできても短期で成果が出ずに放置されてしまうことがあると思います。SNSにおいて必要なのは更新性です。更新されないと効果は出ません。事前に何を指標に運営するのか、有事の時、どのように対応するのか細かく決め、区切りも想定しておいた方が効果的に運用できると思います。
F・O・インターナショナル・坂根:Facebookなどの活用を検討している方で、自社サイトを持っているのであれば、より高度な分析ができるので、サイトにタグを早めに埋めることをおすすめします。
サンドイッチの店3・菅:インターネット広告会社にいた経験から、ビジネスには売上目標によって段階があると考えています。そのステージごとにやることは違います。私は、5,000万という売り上げ目標でサンドイッチ屋を始めました。その1stステージでは、積極的に売り込むためではなく、まずは自分たちのことを知ってもらうためにFacebookとInstagramを利用しました。
その経験から、1stステージの企業には本当にいいものを作るという気持ちを持つことを強くおすすめします。FacebookやInstagramがその思いを後押ししてくれます。その次のステージでお二方のような改善を行っていくと良いと思います。
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