経営者に聞いた!「マイバイブル」6選

その他
2019.10.02
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急速に進む技術革新によって、目まぐるしく変わるビジネス環境。予測不可能なこの時代に挑み続ける経営者たちは、歴史から学び、時流を読み飛躍してきました。そんな彼らはどんな人物や出来事、書物が好きなのか?彼らの意思決定や経営戦略の背景にある価値観が垣間見える「バイブル」を伺いました。

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沼上 幹『組織戦略の考え方 ――企業経営の健全性のために』

本

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中村 利江 Rie Nakamura 夢の街創造委員会株式会社代表取締役社長

関西大学在学中に女子大生のモーニングコール事業を立ち上げ、学生起業家として活躍。大学卒業後、㈱リクルート、㈱ハークスレイを経て、2002年夢の街創造委員会㈱代表取締役社長に就任。チラシと電話による従来の出前市場の仕組みに対して、「インターネットで出前をとる」という新しいライフスタイルを確立。

<コメント>
2003年に出版された本ですが、今読み返してもとても役に立つ内容が詰まっています。経営者として20年間やってきて、企業のシードステージ、成長ステージ、第二創業ステージとステージが変わっていく過程で、各ステージでの課題解決につながるヒントを得ることができました。長くお付き合いのできる本です。特に、従来の日本企業で許容されているような、他人の努力や成果に"ただ乗り"しているのに、"ただ乗り"させてくれてくれている人たちを批判し続ける”フリーライダー”の問題や、組織がそのような人たちを生み出す背景などは、すぐに自社課題に当てはめて反省することができます。また、”組織の腐り方”や”組織腐敗のメカニズム”も、その指摘が的確で読んでいて、ぐさっ!と刺さることが多いです。成長中の企業で組織も成長させたい、と考えている経営者はもちろん、これからマネージメントしようという若手リーダーは、読んで損はない!と思います。

 

サリム・イスマイル他『シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法 ビジネスを指数関数的に急成長させる』

本

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間宮 亮太 Ryota Mamiya エン婚活エージェント株式会社代表取締役社長

2009年、エン・ジャパン株式会社入社。企業の採用支援に一貫して関わり、拠点立ち上げや最年少マネージャーを歴任。2015年から新規事業開発に従事し、2016年2月、同社初の社内ベンチャーであるエン婚活エージェント株式会社を設立。代表取締役に就任。

<コメント>
飛躍的に企業を成長させるために何が必要なのかを説いた書籍。ユニコーン企業(企業としての評価額が10億ドル(約1,250億円)以上で、非上場のベンチャー企業)を生み出すために、組織に求められる要件を理解する上でとても示唆に富む本です。この書籍を読み、当社でも「MTP(Massive Transformative Purpose)」と呼ばれる野心的な変革目標を設定しました。MTPを基軸にした「飛躍企業の特徴」や「飛躍型企業を立ち上げる12のステップ」は非常に参考になり、自身の経験と照らし合わせて「できている」「できていない」と自身に置き換えながら読み進めることができます。このステップをベースに各論は専門書で知識を深めていくというステップに繋げられます。私の中では『ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則』と共に、経営者必読の書だと思います。
 

森 信三 『修身教授録 (致知選書)』

本

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野澤 比日樹 Hibiki Nozawa 株式会社ZENKIGEN代表取締役CEO

1998年㈱インテリジェンス入社。1999年サイバーエージェント参画、マザーズ上場を含む会社の急成長に貢献。2011年ソフトバンクアカデミア外部1期生。孫会長から声がかかりソフトバンクグループ社長室参画、日本初の森林寄付型「自然でんき」発案、事業責任者として従事。2017年㈱ZENKIGEN創業。

<コメント>
私の人生に大きな影響を与えた、元アサヒビール名誉顧問の故・中條先生には生前、直接多くのことを学ばせていただきました。中條先生の博覧強記ぶりにはいつも驚くばかりでしたが、その中條先生が私に一冊読むとしたらこの本、と紹介いただいたのが森信三先生著の『修身教授録』です。29歳のときの事業失敗の際、強烈に気付かされた自分の人間的未熟さ。森信三先生の魂の至言の数々。人生二度なし。一度きりの人生を生き切れ。誠を貫く。挑戦の前に結果を求めるな。全力で迫る、など何度読み返しても森信三先生の魂の言葉が迫力を持って迫ってくるような本です。私にとって人間哲学を学ぶ最良の本であり、経営者となった今、より人間哲学を学ぶ必要性を強く感じ、何度も読み返したい生きる指針となる一冊です。

 

デール・カーネギー『人を動かす』

本

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鉢嶺 登 Noboru Hachimine 株式会社オプトホールディング代表取締役社長グループCEO

森ビル勤務後、米国で急成長するダイレクトマーケティングを日本で展開するため、1994年㈱オプト(現㈱オプトホールディング)設立。eマーケティング支援の他、デジタルシフト支援全般に業務を拡大。次代の繁栄のため、未来のデジタル事業の立ち上げやベンチャー企業の投資育成など新事業創造に挑戦中。

<コメント>
私が『将来、経営者になる!』と決めた大きな指針となったのが、D・カーネギーの『人を動かす』です。この本に出会ったのは、中学生の時でした。当時、学年長を務めており、自分のクラスだけでなく、学年8クラスをまとめ上げるのに非常に苦戦していたんです。名前を覚える、褒める、盗人にも一分の利を認める、など、私が人と接する、マネジメントする原点とも言って良いバイブルになりました。感銘を受けた私は、目次の項目を書き出し、1日1項目を見返せるカードを作成。トイレに置き、毎日繰り返し読んで潜在意識に染み込ませました(笑)。あまりに有名な書籍ですが、名著と言われ長く読まれ続けている本にはそれ相応の理由があります。『人を動かす』は生きて行く上で、人と接する上で普遍的な心構え、ノウハウ、本質が詰まっています。まだ手に取ったことが無い方には一度は読んで頂きたいです。

 

池井戸 潤 『下町ロケット』

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荻原 猛 Takeshi Ogiwara ソウルドアウト株式会社 代表取締役会長CGO

中央大学大学院戦略経営研究科修了。経営修士(マーケティング専攻)大学卒業後、起業。2000年㈱オプトに入社。2006年、広告部門の執行役員に就任。2009年当社設立、代表取締役社長に就任。著書に『ネットビジネス・ケースブック』(2017年同文舘出版、田中洋共著)がある。2019年3月より現職。

<コメント>
中小企業(佃製作所)の社長である佃航平が次から次へと困難に向き合い、戦って戦って戦い続ける。どんな問題が起きようとも諦めずに信念をもって自分の足で立ち続け、心折れることなく突き進んでいく姿に勇気を貰えます。大企業の特許侵害における法廷での戦い、長年付き合っていた銀行との交渉、大好きな社員たちの中で割れていく意見とバラバラになりかける組織、大切な家族である娘との確執、魂を込め取り組んでいた研究開発部門の閉鎖という葛藤、帝国重工という大企業との特許に関わる一連の交渉。中小・ベンチャー企業の経営は簡単ではなく、苦しいことが9割の世界。覚悟がなければ経営者は務まらない。『下町ロケット』は中小・ベンチャー企業の経営をリアルに表現していて、多くの学びがあります。社員の皆と喜びを分かち合い、抱き合って喜ぶ姿に感動できますし、私もそうありたいと心から思います。

 

北 康利『白洲次郎 占領を背負った男』

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荒波 修 Osamu Aranami ソウルドアウト株式会社代表取締役社長CEO

外資系のハードウェア・ソフトウェア会社などを経て、2007年オーバーチュア株式会社に入社。2008年ヤフー株式会社へ転籍し、2013年4月、同社執行役員に就任。2016年4月、株式会社GYAO代表取締役社長に就任。2018年3月より当社取締役COOに就任。2019年3月より現職。

<コメント>
モチベーションのスイッチを入れたいときに、この本を読むようにしています。頻度は2、3年に一度くらいです。とにかく白洲次郎氏の生き様が最高に粋で格好いいんですよね。日本人としてのプライド、日本という国を思う熱い気持ち、中長期的な視点、大局観、行動力など、いずれも今の日本人経営者に欠けているもののような気がします。また、立場が上の人であっても、忖度することなく、言うべきことをしっかりと言える胆力は、当時の人としては規格外だったのではないでしょうか。戦後日本が目覚ましい飛躍を遂げることができたのは、彼のような素晴らしい日本人がいてくれたおかげだと思っています。ちなみに、私はこの本を読んですっかり白洲次郎氏のファンになってしまい、彼が戦時中に東京を離れて暮らしていたという、町田市・鶴川にある武相荘を訪れたこともあります。

 

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